自分に思いやりを持つセルフ・コンパッション
3/1/2025
自分に厳しいどころか、自分を批判しすぎてしまう。
そんな人はセルフ・コンパッションを身につけたいところです。
自分に思いやりを持って接する。
それが甘えではなく必要なスキルなんだというのが今日の話です。
私自身、誤解していたセルフ・コンパッション。
ピンとこない人にも疑心暗鬼な人にも納得感があるように伝えていきますね。
自分に厳しいは正しい?
他人に厳しくて自分に甘い人、最悪ですよね。
「自分のことを棚に上げて言ってくんなよ」ってキレたことありません?
じゃあ「自分に厳しい人」ってどういう印象があるでしょう。
自分を律することがうまいし、成長に対して貪欲でストイックな感じでしょうか。
「自分に厳しい」という特性は、実はけっこう危ういもの。
なぜって、自己批判しすぎることが多いんです。
自己批判はストイックなように見えますが、
その分だけ疲弊して時間を費やすので成長には繋がりません。
つまり自己批判は、ネガティブで感情に振り回されやすいことと関係があります。
いつまでもバッドに入ってないで、これからどうするか考えようよ。
そう思われがちなのも、自己批判が多い自分に厳しい人なんです。
自分に思いやりを持って接する
コンパッションは、思いやりや優しさ、慈悲の心と訳すのが自然だと思います。
そしてセルフ・コンパッションというのは、思いやりを自分に対して向けることです。
自分の友達が、恋人に振られてバッドに入ってるところを想像してください。
「自分がダメだったんだ」
「自分みたいなやつフられて当然だ」
「もう恋なんてしない」
そんな槇原敬之が出てくるくらい落ち込んでいます。
自分ならどう声をかけるでしょう?
「お前は悪ないよ」
「お前は良いところいっぱいあるし、また良い人見つかるよ」
「気分転換にどっか出掛けよーや」
ここまでイケメンじゃなくとも、それなりに思いやりを持った言葉をかけますよね。
その友人や恋人に向けるような思いやりを自分に向けよう。
それがセルフ・コンパッションの考え方なんです。
そもそも失敗したりダメなことが起こると落ち込みますよね。
それに自己批判を加えるなんて、オーバーキルすぎるんです。
そんなことする友人がいたら縁を切った方がいいくらい、
自己批判はダメージを与えます。
そうやって自分を痛めつけて底まで落ちていくより、
思いやりを持って受け止めて次に繋げていこう。
このスキルは誰にでも必要ですよね。
セルフ・コンパッションへの誤解あるある
実はですね、私がセルフ・コンパッションのことは長らく誤解していました。
「甘えてないで次へのアクション起こそうぜ」というのが私の考え方でした。
ですがただの偏見でした。
まずセルフ・コンパッションは、自分への甘えではありません。
甘やかして「大丈夫だよ、悪くないよ〜」と目を背けさせることはしません。
むしろ自分への思いやりを土台に受け入れるんです。
他にも自己批判しなければ自分は怠惰で何もしなくなってしまう、という誤解があります。
ですがセルフ・コンパッションはすぐに失敗や挫折を受け入れて、
建設的に解決策を考えていこうという前向きなものです。
むしろ自己批判してるときってどうでしょう?
前に進むことってありませんよね。
自分を下に下に落としてるだけで、顔を上げることも次への一歩を進むこともありません。
セルフ・コンパッションは、失敗や挫折で落ちていく自分を優しく受け止め、
それを土台にまた立ち上がって戦略を考えていく。
そんな持続的な成長のために必要不可欠なスキルです。
このことに気づいた時、無知ゆえにセルフ・コンパッションに懐疑の目を向けていた私は感動しました。
自己成長の基盤として必要不可欠だと気づいたので、
私のオリジナリアのアプリでも、セルフ・コンパッションを鍛えるプログラムをすぐに取り入れたくらいです。
セルフ・コンパッションの中核3つ
1.自分への優しさ
自分に甘くではなく、自分に優しくすることです。
友人に甘いことと、友人に優しいことは意味合いが異なりますよね。
自分が失敗や挫折を経験したり、辛い気持ちになっているとき。
友人に思いやりを持って声をかけるように、
自分に対しても優しく声をかけてあげる。
例えばジャーナリングで、自分の思いを赤裸々に書き出します。
そしてその書き出された文章を観察したうえで、
思いやりを持ってメッセージを書いてあげます。
大切な人に向けるような優しさです。
これだけでストレスや不安が軽減され、自己肯定感も高まることがわかっています。
2.共通の人間性
言葉はピンと気づらいかもしれませんが。
共通の人間性とは「他人も同じような経験をしているんだ」と理解することです。
自分だけが特別失敗したり、欠点があるわけじゃないですよね。
プレゼンで失敗したり、怠惰にSNSを見続けてしまったり、人間関係が上手くいかなかったり。
経験してない人の方が少ないくらいです。
だから「人間なんだからそうだよね」と共通の人間性を理解することで、
孤立感が和らぎ自己批判の激しさもなくなっていきます。
「みんなそうだから我慢しろよ!」ではありません。
「自分だけ悪いわけじゃないよね」と事実を純粋に理解することです。
3.マインドフルネス
瞑想はマインドフルネスの一つの手法です。
マインドフルネスの本質は、過剰な反応や思考をやめ、
あるがままを判断せずに観察することです。
冷静に事実をそのまま受け止めるイメージです。
なにか失敗したとき、そこから派生してどんどん攻め始めるのが自己批判の特徴です。
マインドフルネスを実践することで、あるがままに受け止める能力が高まっていきます。
とはいえ、マインドフルネス難しいんですよね。
私もなかなかできていないので、そろそろ本気で研究して実践しようかなと考えています。
自分なりに納得感がいくレベルになったら、このブログでも伝えたいと思っています。
セルフ・コンパッションの科学的なメリット
セルフ・コンパッションは、一見するとスピリチュアルな感じがするんですよね。
だから私も毛嫌いしていたのですが、ちゃんと科学的根拠が出ています。
そもそも心理学者クリスティン・ネフが提唱し広めている概念なので、科学が発祥なんです。
1.ストレス軽減とメンタルヘルス改善
これは当然ですよね。
自己批判がどれだけ自分のメンタルに悪いことか。
失敗や挫折をした自分を優しく受け止める能力は、
過剰なストレスから自分を守ってくれます。
2.レジリエンスの向上
レジリエンスは、挫折から立ち直る力のことです。
殴ってもすぐ起き上がってくるサンドバックとか、ある意味レジリエンスめちゃくちゃ高いですよね。
自己批判する人は、レジリエンス弱いんです。
一回失敗したら批判して自分を下に下に追いやってしまうので、
なかなか立ち直ってこないんですよね。
ですがセルフ・コンパッションを持っていると、まずは自分を受け入れますよね。
そしてそこから、建設的に次へのアクションを考え始めることができます。
このレジリエンスの向上こそが、私がセルフ・コンパッションは必須のスキルだと確信した効果です。
3.幸福感と自己成長の促進
自己批判せず優しさを持って生きている人の方が、幸福感が高い。
そして転んでもすぐ立ち上がるレジリエンス力を持つ人は、やっぱりどんどん自己成長していく。
自己成長のインフラアプリを作るオリジナリアにとって、
そんな効果を持つセルフ・コンパッションは土台として必要不可欠でした。
自己分析と行動計画を中核に置いていたのですが、セルフケアもコア機能に含めることにしました。
自己分析で長期的なビジョンや自分の価値観を理解して、
それを行動計画で具体的なアクションのレベルまで落とし込む。
この2つが連携していないことが、多くの人が自分の力で独自の成長をすることが難しい原因です。
ですがそんな自己成長を持続させるためには、健全な精神状態とレジリエンス能力が必要不可欠だったんです。
セルフ・コンパッションは内面の基盤
私はちゃんとセルフ・コンパッションを学んでから、一気にイメージが変わりました。
自分に甘いと自分に優しくするの違いも、セルフ・コンパッションのレンズを通してみるとわかりやすいです。自分に甘い人は、失敗や挫折を見逃して学ばず、そこから逃げてしまいます。
具体的なトレーニング方法もあるのですが、情報量が多すぎるのでまた別の記事で書きたいなと思ってます。
個人的にはトレーニング手法以上に、
自己批判してるなと気づく度にセルフ・コンパッションで受け止めるという習慣が大事だなと。
ちなみにナルシストは、自分に優しいではなく甘いんです。
もっというと、他人からの評価に依存しているため自己評価が揺らぎやすい。
自分よりすごい人や偉い人がくると、急にペコペコしはじめるという典型的なタイプなんです。
セルフ・コンパッションは思いやりを持って、内面から自分を受け止める優しさです。
周りは関係なく、自分が自分を受け止めることだけが焦点となります。
失敗したり自己批判が始まったときは、とりあえずセルフ・コンパッションで受け止める。
その習慣が持続的な成長と健全な精神状態には不可欠です。
だから私のオリジナリアにも、セルフ・コンパッションをセルフケア機能の一つとして作りました。
具体的なトレーニングにするのか、それとも自分に思いやりを持つ習慣をつけるための土台を作るのか。
続けやすいのはどっちだろうと実験を重ねているところです。
私がオリジナリアの構想に辿り着いたきっかけでもあるのが、
有益な情報を聞いても実際に行動にはつながらないという問題です。
セルフ・コンパッションを今知ったとしても、実際に行動に落とし込むことが難しいんですよね。
だからオリジナリアは、一人一人が自分として成長し続けるためのインフラ(土台)を作ろうというアイディアに辿り着きました。
ですのでセルフ・コンパッションを持ち続けるための機能をオリジナリアのアプリに作り始めました。
意外と難しくて悩んでいます。
具体的なトレーニング手法について研究して自分なりに答えが出たら、
セルフ・コンパッションをどう実践するのかという記事を書きたいと思います。
その頃にはアプリの機能も仕上がっているといいなぁと楽観視しています。