自分に厳しい人 vs 自分に甘い人
自分に厳しい人と自分に甘い人、どちらが良いのか?両者の思考パターンと心理的影響を比較し、成長と精神的健康のバランスを探る。自己批判が高まる完璧主義の危険性や「まぁいっか」の後回し文化がもたらす長期的問題も解説。持続的な成長と健全なメンタルを両立させる第三の選択肢「セルフ・コンパッション」とは?
自分に厳しい人と自分に甘い人なら、どっちに当てはまると思いますか?
「どっちもあるなぁ」っていうのがリアルなところですかね。
成長し続けることと健全な精神状態を考えると、
自分に厳しくても甘くても、どっちもマイナスなことが多いようです。
この記事では、自分に厳しい人と自分に甘い人を比較しながら解像度をあげた上で、
最終的に自分に思いやりを持つという新しい選択肢まで提案していきたいと思います。
自分に当てはまるなと感じた部分は、これから対処していくために覚えておくといいと思います。
考えかたの違い
自分に厳しい人は、やっぱり自己評価が低いです。
というのも自分に厳しいので、どうしても低めに評価をつけてしまいます。
「ここすごいよね〜」と褒められても、微妙な反応です。
謙遜するというよりは、本当に「まだ足りない、こんなんじゃダメだ」と思っている節があります。
当然、完璧主義にも陥りやすい。
完璧主義ってストイックで良いイメージもあるかも(?)ですが、不安症やうつ病の傾向が一気に高まってしまうので治しておきたい特性なんです。
さらに完璧主義だと、結局はあまり成果が出ていないということも科学的にわかっているんです。
これについては、また別の記事で書いてみますね。
一方、自分に甘い人はどうでしょう?
こちらは自己評価が高いとも低いともいえません。
たとえば過剰に自己肯定感が高いナルシスト傾向を持つ人もいますし、そもそも自己評価をあまり意識していない、考えていないタイプの人もいるのです。
簡単にいうと、自分に甘い人とは真剣に考えていない人です。
失敗してもそこから学ぶことはなく、「まぁいっか」で終わってしまいます。
成功したら自分の評価を急激に上げますが、「なぜうまくいったのか」と考えないので学びがここでもありません。
もったいないですよね。
自分に厳しい人は、自己批判をして自己評価は下がりやすい分、まだ高みを目指して努力している点は好ましいです。
一方の自分に甘い人は、深く自分や人生と向き合っていないので、あまり成長しません。
ですが精神的に追い込まれにくい、というメリットはありますね。
自分に厳しい人の脆さ
自分に厳しい人の過度な自己批判は、精神的にかなり危険です。
うつや不安のリスクが高まりますし、完璧主義を併せ持つ人は自殺率も高くなってしまいます。
どれだけ成果を出しても、自分を認めることはなかなかできません。
いつもなにかに追われるように生きてしまいます。
もちろん自分に厳しい人の方が、なにかを達成することは多くなります。
ですが高い目標を追求し続けると、どうしても燃え尽き症候群になりやすいんです。
人生は長いので、いちいち燃え尽きていてはキリがないですよね。
一時的に追い込むよりも、ある程度はコンスタントにこなし続ける人の方が結果的には成長しやすいです。
わたしが経営者として人を雇うなら、モチベーションに依存していない人を選びます。
「自分には成し遂げたいことがある」「熱意ならあります!」というタイプの人って、脆い人が多いんです。
本当に熱いだけの松岡修造さんタイプもいるのですが。
なにかを達成した途端に燃え尽きたり、ちょっとした挫折ですぐにモチベが切れてしまったり。
このタイプの人たちは困難から立ち直る力、つまりレジリエンス(回復力)を持っていない人が多いんです。
そして自分に厳しい人には、このタイプの人が多いです。
というのも失敗するたびに自己批判しているので、レジリエンスが弱くなってしまいます。
以上のように、たしかに自分に厳しい人は目標達成に向かって努力をします。
ですがどうしても、燃え尽き症候群や挫折から立ち直らず折れてしまうことが増えてしまいます。
自分を成長させたいのだとしても、自分に厳しいことは戦略として不十分といわざるを得ません。
私も「まだまだこんなもんじゃない」という反骨精神のようなものを常に持っているのですが、それが「自分に厳しい」に転換してしまわないように細心の注意を払っています。
学んだ上で、意識してないと難しいです、これは。
自分に甘い人の弱さ
自分に甘い人はどうでしょう?
お察しの通り、なかなか目標を達成することはできません。
そもそも目標をちゃんと立ててない人も多いです。
良くも悪くも、穏やかにのんびり生きていることが多い。
自分に厳しい人が自己批判しやすいのに対し、自分に甘い人はそれほど失敗に注目していません。
「まぁいっか」と楽観視することが多いです。
精神的には穏やかで良いのですが、失敗から学ばず問題を先送りにしてしまいます。
つまり「後回し」にすることが多くなっていくんですね。
そしていろんな問題が後回しにされたらどうなるか?
そう、どこかのタイミングで一気に問題が迫ってくる。
そうなると自分に甘い人はキャパオーバーです。
学んでいない状態で一気に問題が押し寄せてくるので、ここでメンタルがダウン。
つまり一時的には良くても、長期的には大きなバッドのスポットが待ち受けているんです。
これ、結構経験したことがある人多いのではと思っています。
じゃあどうしたらいいんだ?
自分に厳しい人も自分に甘い人も、お互いそれなりにダメなところがありました。
「でも人間はそんなもんだよね」と割り切ることもできるのですが、どうやら絶妙なバランスを取る方法があるんです。
ちゃんと困ってるところには、解決策を出してくれてるんですよね。
それがセルフ・コンパッションです。
絶妙に馴染みのない言葉ですが、意味は簡単です。
コンパッションとは、思いやりや慈悲の心、優しさという意味です。
そんな大切な友達や恋人に向けるような思いやりを、自分に対しても向けてあげようという意識です。
特に自分に厳しい人は、厳しくするのではなく思いやりに変えて行った方が好ましいです。
自分に思いやりを持って接すると、過度に自分を責めることなく、失敗や挫折を受け入れることができます。
するとすぐに、解決策に向かって考えられたり、失敗からどんなことが学べるかと思考を進めることができます。
つまり持続的に成長するためには、セルフ・コンパッションが必要不可欠なわけです。
これって、レジリエンス(回復力)も高めることに繋がっています。
科学的にも、うつや不安のリスクを下げ、レジリエンスを高めるというポジティブな効果が認められています。
でもそれって、自分に甘いとはなにが違うんだ?っていう話になります。
自分に甘い人は、失敗から目を背けて、あまり考えずに生きているような状態です。
ですがセルフ・コンパッションの高い人は、失敗を自分を責めることなく受け入れて、次に繋げていこうという姿勢があります。
ここが決定的に違うんです。
自分に厳しいも甘いもダメならどうしたらいいんだというと、セルフ・コンパッションを持つことなんですよね。
最初は私自身、かなり懐疑的でした。
でも理論をちゃんと学んで実践していくうちに、いわば自分に厳しいと甘いのいいとこ取りをしていることに気がつきました。
両方のメリットを享受しながら、デメリットを排除していく。
それがセルフ・コンパッションの強みであり、心理学の世界でホットな話題になっていることにも頷けます。
セルフ・コンパッションに興味を持ったり、実践してみたいと思った人には以下の記事がおすすめです。
・自分に思いやりを持つセルフ・コンパッション
さいごに
漠然とですが、自分に厳しい人と甘い人のどっちがいいんだろうっていうのは永遠の謎でした。
自分に甘いと堕落する。
かといって自分に厳しいと、すぐに自己批判して精神状態が悪くなるし、持続的な成長は期待できない。
どっかで挫折して折れてしまいます。
そんな自分に厳しいと自分に甘いの階層を超えて良いところを凝縮したのが、セルフ・コンパッションという考え方だと思っています。
最初は「ほんとかよ」って思う人もいるかもしれませんが、私自身実践していくうちに納得感を持てたのでまずはやってみることをおすすめします。
成長と精神のバランスは常にとっていきたいですからね。
私のオリジナリアも自己成長・自己実現を中心におくインフラアプリですが、その持続的な成長を支えるためにセルフケア機能を導入しています。
最初の構想にはなかったのですが、成長し続けるためには健全な精神状態を保つことが必要不可欠だと思ったからです。
この記事を最後まで読んだ人におすすすめ
・自分に思いやりを持つセルフ・コンパッション
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